卒業式

学校長式辞

 寒い日もありましたが、今や春の日差しとなりました。校内でも早咲きの桜がほころぶ今日この日に、 白陵中学校を卒業される188名の皆さん、誠におめでとうございます。 「Pandemic宣言」もあるなか、残念ながら、下山育友会長様、来賓の方々、教職員一同とともに、とは参りませんが、 これまでの皆さんの努力と研鑽を、心から讃えたいと思います。 また、これまでの長きにわたってみなさんの勉学を支えてこられたご家族の方々に対して、ここに深く敬意を表します。

 白陵中学校の卒業生数は、白陵中学第55期生である皆さんを含めると、6679名になります。 皆さんが最初に先輩たちと出会ったのが対面式でした。 この日は朝から雨でした。記念棟に移動しての式となりましたが、皆さんの可愛らしくも、決然とした姿が印象的でした。 それまで夏におこなっていた臨海学習を、5月の末に移しての最初の学年でした。 例年の酷暑からは免れ、爽やかな空気の中での心地よい体験になりました。 6月の球技大会では、その翌日の雨予想に対処しての過密スケジュールとなりました。 中学2年では、7月末の山でのキャンプ。警報が出そうだということで、2泊3日の予定を1泊2日にリフォームして、 しかも予定していたプログラムは、ほぼすべて行うという過密スケジュールでしたが、決して音を上げない皆さんでした。 3学期になると、一つ上の中学3年生は落ち着いているが、 どうも中2はいつも廊下でプロレスごっこをしているようだとの報告が上がってきました。 その活発な「濃厚接触」のおかげか、1月末にはインフルエンザによる学級閉鎖が相次ぎました。 しかし、これも濃厚接触のおかげか、その後の柔道大会では、レスラーのように元気いっぱいで、 中2、それから中3と、どんどん強くなっていきました。中3での修学旅行は、 天候に恵まれた素晴らしい旅行であったことが思い出されます。皆さんにかかわった先生達に、 この学年の特徴を尋ねると、「破天荒」、「自由奔放」、「元気」といった言葉が返ってきます。 夏にあった東播磨ハートランド弁論大会には、私も聴きに行きましたが、予選を通過しての白陵生3名の弁論は、 三者三様、なるほどこの学年の代表だと思える、自由な発想にあふれた、内容の濃いものでした。 このような3年間の思い出に、自然な形で上書きされるものとしての卒業式のはずが、いま、 各クラスに分かれての式となっています。

 このような時だからこその、皆さんへの餞の言葉は、「一人で黙々と歩け!」です。 「歩く」というのは、人生を進んで行くということの比喩でもありますが、実際に足を使って歩くということでもあります 。実際に歩くことによって考えを整理し、ものを創っていった人は多くあります。AppleのSteve Jobsは有名ですが、 日本では、日本哲学の第一人者である西田幾多郎が思い浮かびます。彼が思索にふけりながら歩いた、 銀閣寺近くの疎水沿いの道は、「哲学の道」とよばれ、名所にもなっています。人間の脳は、 何かに集中して頭を使う時より、何もしないニュートラルな時の方がはるかに多くのエネルギーを使っています。 雑多な情報を整理整頓しようとしているのです。しかしその時、「自動思考」といって、 あれやこれやの思いや考えが自然に沸いてきて、ネガティブな気持ちになりがちです。 そこで、気晴らしでもしようと、ゲームやSNSなどをすると、脳は整理整頓ができず、 混乱し、気晴らしどころか却って疲れてしまいます。そこで「歩く」が有効になります。 足裏から伝わる単純なリズムが、「今、ここ」に心を留め置き、自動思考の侵入を防ぎ、 脳内の情報の整理が促進されるというわけです。是非、どんどん歩いて、発明・発見をしてください。

 続いて、比喩としての「一人で歩け」です。何かをみんなで一緒に行うことも必要なことですが、 もうちょっとしたら光が見えてくるというところまで行くためには、一人で暗闇の中を歩かないといけません。 これが白陵の校是の一つである独立不羈の精神です。人間の自由は、ここに存在します。前述の西田幾多郎は、 「真の自由とは、最も奥底の欲求に従って、能力を十分に発揮することだ」と言います。いつも人と行動したり、 人に頼っていたりでは、自分の中にある最も奥底の欲求まで到達することはありません。皆さんは、力を持っています。 未来へ向かって、暗闇を一人で歩く勇気を持ってください。

 さて、式辞の終わりに、今日残念ながらご列席いただけなかった保護者の方々からの気持ちも込めて、 『未来へ(by Kiroro)』を歌うことにしました。時間短縮のため、最後の部分だけにします。 放送によるウイルス感染は、報告されていませんからご安心ください。
 ・・・歌・・・

 卒業おめでとう。

 令和2年3月24日
              学校法人三木学園 白陵中学校 校長  宮﨑 陽太郎

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卒業式

第55回中学校卒業式です。

2020.03.24


コロナ感染拡大防止のため,各教室で校内放送を用いて中学卒業式が挙行されました.



校長室で代表が卒業証書を授与されました.この後,教室で卒業生に手渡されます.





各教室の様子.


学校長式辞.式辞の途中に拍手.


祝電披露.


その後,各教室で卒業生に証書が授与されました.

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