卒業式2026.03.19
卒業式全景

学校長式辞
卒業式式辞
昨日からの雨は上がり、春の光に包まれています。寒い日が続きましたが、明日はもう春分となり、早咲きの桜が咲いています。 この良き日に、白陵中学校を卒業される白陵中学第61期生の皆さん、誠におめでとうございます。 ご列席の方々、教職員一同、在校生とともに、これまでの皆さんの努力と研鑽を、心から讃えたいと思います。 また、これまで長きに渡ってみなさんの学校生活を支えてこられたご家族の方々に、ここに深く敬意を表します。
皆さんの小学校高学年は「コロナ禍」と重なりました。そんな中でも志を強く持って白陵を受験したことが、 課題図書の感想文からも伝わってきました。入学式は令和5年4月10日。脱コロナ禍を象徴するように、 昨年まで中高別々であった入学式は合同での開催となりました。桜の花は盛りを過ぎていましたが、よく晴れた日となりました。 ここ白陵での新たな中学生活の始まりでした。
オリエンテーションが始まり、放課後には身分証の撮影。髪型やネクタイを整えるのに手間取り、2時間もかかってしまいました。 4月21日には裏山登山。この学年は何かと天気に恵まれます。前の年、雨で登れなかった中学2年生が先に登り、 その後を、昼食をはさんで中学1年生が追いかける形で登りました。裏山は白陵中学生で花盛り。 それを知った他校生が「うらやましい!」と言ったとか。5月の末には2泊3日の「校外オリエンテーション」。 200名ほどが寝食を共にし、自然と戯れる。小学校時代にはなかなか出来なかったことが実現しました。 皆さんの内部に潜むDNAが、その本来の働きを思い出し、躍動を再開したはずです。 夏を過ぎ、曽根駅から通ってくる皆さんの足取りも少しずつ確かなものとなりました。 9月には白陵では4年ぶりとなる、ほぼフルバージョンの運動会。 生徒会は『新生』というテーマで白陵を新しく生き返らせようと気合を入れていました。 行進練習初日では体育委員長が「こんなひどい行進は見たことがない!」と、足を引きずるように歩いていた中学一年生にも叱咤激励。 それが運動会当日には見違えるようなしっかりした足取りの行進に変わっていました。 その後の文化祭では皆さんの「白陵歌」が「先人力強く営める…」で始まる序詞も含め、堂々としたもので驚きました。 4000人ほどの来校者があり、過去最大の、まさに『新生』にふさわしいものとなりました。 11月になるとインフルエンザで学年閉鎖になることもありましたが、その後の中国伝統芸術鑑賞会ではハラハラドキドキ。 また中学部百人一首大会では中学1年生の各クラスがトップ5を占めました。1月24日は17時頃から大雪となり翌日は警報で休校となりました。 それでも下校時には元気に雪合戦をしている人もいましたね。2月になるとまたインフルエンザで学年閉鎖となることもありました。 しかし柔道大会には間に合い、各クラス男女併せて9名の選手が、4月から始めたとは思えないような技を見せてくれ、 高砂総合体育館は大いに盛り上がりました。年度末には校外学習で「人と防災未来センター」にも行きましたね。
白陵にとって令和5年度は、脱コロナの劇的な一年でしたが、皆さんにとっては白陵入学の初年度であり、 それが白陵の普通の状態であると見るしかなかったでしょう。中学2年生になって勉強面では少し難易度を増していきましたが、 白陵にも慣れ、表面上は昨年と同じように一年が過ぎていったかもしれません。 しかし中学時代はドイツ語でSturm und Drang(疾風怒濤)の年代とも言われます。 心の中に激しい風が吹き荒れ、大きな波が荒れ狂う、そんな年代だと。 その中でも最も荒れ狂うのが中学2年生のころでしょうか。 身体を大人に成長させるために「成長ホルモン」や「性ホルモン」が急激に大量に分泌されます。 すると、攻撃性を司るホルモンを抑えられなくなったり、睡眠リズムが崩れたりして、ホルモンバランスが乱れやすくなります。 そうして勉強が手につかないなど、いろいろな問題を抱えることになった人も多かったのではないでしょうか。 そのような中で『つなぐ』をテーマにした運動会や文化祭が、まさに昨年の大成功をつなぐものとなりました。 関西フィルによる魂を揺さぶる演奏、バレーの眞鍋監督による貴重な話、1位は中学一年生に譲っても2位、3位は獲得した百人一首大会、 JJMOも皆でチャレンジしました。寒くて吹雪にも見舞われましたが、素晴らしい雪質でのスキー実習。そして熱戦の繰り広げられた柔道大会。 校外学習で鶉野飛行場にも行きましたね。心の中に嵐が吹き荒れることはあっても、このような学校生活の一つ一つが、 皆さんを中学3年につないでいったのではないでしょうか。
3年生になっての始業式はよく晴れた日となり、桜は満開でした。一年を通して取り組んだのが「eN講座」。 何とも言い得ぬ深い学びとなりました。eNとはドイツ語のetwas Neues、英語ではsomething new、つまり「何か新しいもの」という意味です。 いろいろな分野の中に、見知らぬ新しいものが発見されることを待っていることが分かったのではないでしょうか。 7月になり、この記念棟の前に妙な文言が出現しました。「はみだせ、はみだすな」― ―同窓会60周年の記念碑です。 前年6月に亡くなられた2代目理事長の言葉ですが、「うーん、ではどうすれば?」と思ったかもしれません。 脳の発達は後ろの部分から前へと移っていきます。最後が額のあたりある前頭葉です。 前頭葉は、感情のコントロールを担い、複雑な心境や感情を表出し、過剰な情動を抑える働きがあります。 ともすればはみだそうとする疾風怒濤の年代で、はみだすことも大切ですが、同時にはみださない判断もできるようになってきたのではないでしょうか。 見知らぬ自分を発見したはずです。いろいろあっての人生ですね。その物語の中では自分自身が主人公であり、HEROです。 そのことが白陵祭のテーマ『HERO』と重なり、天気に恵まれた運動会、文化祭、そして思い出深い修学旅行へとつながっていきました。 その後はJordan Hattarさんによる難民支援に関する講演会、久保田夏菜さんによるカンボジアに関する講演会、 そしてキャリア講演会などもありました。百人一首大会は中学1年生にやられましたが、なんのその。柔道大会では力を見せました。
改めて3年間を振り返るとき、色々な気付きがあったと思います。心の底から幸せを感じたのはどんなときだったでしょうか。 心の中に嵐が巻き起こっても、目の前の、今やっていることに心を込めて正しく取り組んでいるときではなかったでしょうか。 そうです、すべてを受け入れ、今に生きる。これしかないのです。過去を後悔しても、未来を不安に思っても幸せにはなれません。 それは疾風怒濤の年代を過ぎて大人になり、外界の荒波がやってきたときも同じなのです。失敗を恐れるな。失敗しても悔やまず、 今を生きろ。そこから前に進むことができます。人類の祖先は、7百万年前にチンパンジーの祖先と枝分かれし、二足歩行を始めました。 それ以来受け継がれてきた皆さんのDNAが喜ぶ生き方、それがこの生き方なのです。さあ、新たな旅立ちのときです。 白陵中学校の卒業生数は、198名の皆さんを含めると、7,839名になりました。「198の7839」とかけまして、「感謝」とときます。 その心は「行くわ!なんやサンキュー」
ご卒業、誠におめでとうございます。
令和8年3月19日
学校法人三木学園 白陵中学校 校長 宮﨑 陽太郎
卒業式の一日











